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百里基地

2007年航空祭 2007.9.9(日)

2006年航空祭 2006.7.30(日)

2004年航空祭 2004.9.26(日)

2003年航空祭 2003.9.21(日)

 今年は台風15号とそれに刺激された停滞前線の影響で、風雨という最悪の条件でした。朝から午後まで一貫して雨風とも強く、上空も低い雲が覆っていました。そんなわけで今回はほとんど写真なしです。

 そんな中、午前6時59分離陸のF-15×2機による天候偵察や、午前中のフライトは、1機ずつの水平直線飛行のみではありますが、F-15、RF-4Eと飛ばしてくれました。ほとんどが、ダーティーでのローパスと、オン・アフターバーナーによるハイスピードローパス(クリーン)の2パターンです。すべてRW03に向かって、GCAによる進入を行なっていました。

 救難展示は、UH-60Jヘリによって行なわれました。ホバリング飛行はなし、と思いきや、着陸してからスポットに戻るまでのタクシー中に(この間は、実際には高度数mで飛んでいる)、水平ターンをしながら会場を通過していきました。離陸時の超低空のハイスピードローパス〜上昇旋回とともに、精一杯のサービスをしてくれたのでしょう。

 ブルーインパルスは、エンジンランナップなどの展示もなく、午後1時20分頃から1〜4番機と5〜7番機に分かれて、スモークオンの編隊離陸で松島へと帰投していきました。ちなみに、5〜7番機と、その直後のF-2の離陸の際、模擬対地射爆撃で使う予定だった、地面に仕込まれていた火薬を、「効果音」と称して破裂処理させていました。

悪天候の中でこれだけの展示飛行を行なってくれたサービスに感心した今年の航空祭でした。

ちなみにブルーインパルスJr.の飛行?展示は中止でした。地上展示もなしです。


お客さんは格納庫の中で展示物を見たり雨宿りをする人が大多数だった。外に出るとたちまちずぶ濡れになります。


午前11時過ぎ頃の飛行場地区。人はまばらだった。

百里基地と航空祭

 航空自衛隊百里基地は、茨城県の常陸小川(霞ヶ浦の北)にあります。首都圏に最も近い、戦闘機部隊の所在する基地とあって、日本の防衛上たいへん重要な位置にあります。内閣総理大臣出席による3年に1度の「航空観閲式」(一般の入場は不可)もここで行われます。数年後には現在の滑走路の西側にもう1本滑走路を建設して、民間機を乗り入れる予定です。成田や羽田の混雑緩和策でしょうが、首都圏の防衛という基地の性格上、どうなんでしょうか。それに交通もきわめて不便な所にあります。

 航空祭の日程は、最近ではおおむね秋(9〜10月)の日曜日に開催されることが多いようです。なんといっても東京の人が戦闘機を見るのにもっとも近い航空祭です。会場内はそうでもないのですが、周辺の道路の大渋滞は半端ではありません。車で来ることはお勧めしません。JR常磐線石岡駅〜鹿島鉄道常陸小川駅と、少しでも電車を使って、最後だけ会場までのバスに乗ると、多少は時間が節約できます。車で来る時の裏技もあるが、残念ながらキギョーヒミツ。ちなみに、常磐道千代田石岡IC〜会場まで、平常時約40分かかるところ、今までのレコードタイムはなんと4時間半!

百里基地のおもな飛行部隊と航空祭でのデモ

部隊名   使用機材 航空祭でのデモ内容(近年の内容から)
第7航空団 第204飛行隊 F-15 T-4 F-15戦闘機による機動飛行
  第305飛行隊 F-15 T-4 F-15戦闘機による機動飛行
偵察航空隊 第501飛行隊 RF-4E 戦術偵察デモ(超低空飛行による航空写真撮影)
航空救難団 百里救難隊 U-125 UH-60J 航空救難展示

偵察航空隊

 偵察航空隊は百里基地にのみ所在します。F-4ファントム戦闘機を改造した非武装偵察機で、高高度および超低高度からでも鮮明な写真撮影をすることが可能です。

 この部隊がふだん活躍するのはおもに自然災害の時で、最近では阪神淡路大震災や有珠山噴火、三宅島噴火などにも出動しています。
 有珠山噴火での活躍はNNN「きょうの出来事」ニュースでも紹介されました。
 見通しのよい朝一番に離陸したRF-4は、途中青森県三沢基地で燃料を補給し、再び離陸して災害現場上空に到着、火口とその周囲の様子や断層、被災地の様子などを撮影して百里に帰投します。百里ではただちに専用の機器で現像して、判読員と呼ばれる隊員がすばやく写真を選定します。できあがった写真はT-4で千歳基地に空輸され、そこから車で伊達市内の災害対策本部に運ばれました。この間、わずか数時間。写真は火山学者や防災関係者の間で大変好評でした。

 とかく批判の矢面に立たされる自衛隊ですが、アラート(警戒)待機の任務についている戦闘機と同様、人知れないところで国民のため日夜、厳しい訓練と実任務に当たっています(防衛庁の広報担当のような口調になってしまった)。そういえば、当然ここ百里基地でも、1年365日24時間、スクランブル発進に備えた待機についています。

百里R/W21にタッチダウンする501飛行隊のRF-4E

 

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